あおい
西加奈子さんの『あおい』を読みました。
西さんの文章は、解説で山崎ナオコーラさんが言っている通り「率直」だ。
「あおい」に関しても例外ではなく、いかんなく発揮されている。
もうひとつ好きなところは比喩が多いところだ。
ぶっとんだ比喩をしてるなといつも感じるが、これ以上ないほど的確な比喩だといつも思う。
この小説は『あおい』を含む、全3編で構成されているが、印象に残っているのは「サムのこと」だ。
登場人物はほぼ全員がめんどくさがりやで、わたし個人としてはあまり好まない性格だった。
しかし、サムの死をきっかけにそれぞれがサムとの思い出を回想し、行動的だったサムの偉大さに気付かされた瞬間はわすれらない。
失ってから気づくものもあるのだと気付かされた。