a_ne_haの日記

読んだ本の感想を書いています。

戸村飯店青春100連発

瀬尾まいこさんの『戸村飯店青春100連発』を読みました。


率直にいうと、最高に面白かったです。


今の自分にはぴったりな小説で、とても元気づけられました。


やっぱり関西弁で書かれたような文はリズム感が心地よくて元気になってしまいます。


とても真理めいた言葉が多いと感じました。


「親だから兄弟だからって、好きなものが一緒というわけではない。折り合いが合わないものも、波長の違いもある。」


わたしは家族といるのがあまり心地よくなく、できることなら家を出たいと思っていました。


波長も合わないし、生活も合わないし。とても窮屈な思いをしています


そこでこの言葉を読み、家族だからといって必ずしも同じようにすればいいわけではないと思えました。


自分にとってはなによりも励みになる言葉でした。


「一緒にいる人に、共に働く人に、認められていると思えるのはとてもとても貴重なことだ」


お互いに認め合えるような人たちと過ごしていきたいです。


そのためにも自分の美点を探し求めていきたいと思います。

思い出トランプ

向田邦子さんの『思い出トランプ』を読みました。


向田さんの作品は今回が初めてでした。


「工夫は手を使わなくてはならない。頭で考え出しても、それがうまく表現できなければ、絵にならない」


と、解説にありましたが向田さんの作品は工夫がとにかく多いと感じられました。


ものごとを詳細に描写されていたため、その場面が脳内で再生されるようでした。


作品内容自体も美しい短編たちで、すらすらと読めるようなものでした。


また機会があれば他の作品も読んでみたいと思います。

プロパガンダゲーム

根本聡一郎さんの『プロパガンダゲーム』を読みました。


相手を叩いて陥れても良い結果にはならないと思わされた。


短期的に見れば良い結果に見える場合もあるが、長期的に見るとやってやりかえされの繰り返しになると感じた。


双方が納得する解決方法を考えるのはとても難しいことであるが、双方が納得する形で決着をつけなくてはいけないと思う。


相手を陥れるよりも、互いに協力しあえることができれば、結果的に自らの影響力が広がり、利益を生み出すことができると思う。


もうひとつ、この小説を読んで感じたのは、他人を見下してはいけないということです。


自分より物事を把握していない人に説明する場合でも、その人に合った言葉でわかりやすく献身的に伝えていくべきだと思った。


そのようにできる人こそが人望がある人であり、自分が困った時に助けてもらえるような人なのだと思う。


私自身も、自分の発する言葉に気をつけて生活していきたい。

あなたは誰かの大切な人

原田マハさんの『あなたは誰かの大切な人』を読みました。


マハさんの短編集は心に響く何かがあります。


タイトルでもある『あなたは誰かの大切な人』をテーマに、心温まる話の数々でした。


誰も彼もがだれかの大切な人であり、自分は自分の大切な人でもあると気づかされました。


人を大切にすることと同じくらいに自分を大切にしようと思いました。


去年の冬、君と別れ

中村文則さんの『去年の冬、君と別れ』を読みました。


中村さんの作品はどれも底が深くていつのまにか引き込まれてしまいます。


この作品もそうでした。


復讐心が負のスパイラルをもたらすのだと改めて認識しました。


そして、圧倒的な復讐心を前にすると、自分が巻き込まれるのを恐れて、責任を投げ出してしまうことも気づかされました。


自分がその立場になっても責任を投げ出してしまうのではないかと思います。


それくらいに、復讐心は大きなエネルギーであると思います。


人に憎まれないような行動・言動を心がけたいです。

あおい

西加奈子さんの『あおい』を読みました。


西さんの文章は、解説で山崎ナオコーラさんが言っている通り「率直」だ。


「あおい」に関しても例外ではなく、いかんなく発揮されている。


もうひとつ好きなところは比喩が多いところだ。


ぶっとんだ比喩をしてるなといつも感じるが、これ以上ないほど的確な比喩だといつも思う。


この小説は『あおい』を含む、全3編で構成されているが、印象に残っているのは「サムのこと」だ。


登場人物はほぼ全員がめんどくさがりやで、わたし個人としてはあまり好まない性格だった。


しかし、サムの死をきっかけにそれぞれがサムとの思い出を回想し、行動的だったサムの偉大さに気付かされた瞬間はわすれらない。


失ってから気づくものもあるのだと気付かされた。

遮光

中村文則さんの「遮光」を読みました。


ページ数が100〜150ページほどであっという間に読み終わりそうだなと思っていました。


しかし、内容が衝撃的で、長編小説を読みきったような読後感でした。


愛を突き詰めすぎると人は狂人になってしまう可能性があると思いました。


愛のために周りが見えづらくなってしまうためなのでしょうか。


愛する人の後を追うことは愛と呼べるのでしょうか。


死後の世界はあるのでしょうか。


いろいろなことを考えさせられる小説でした。